痛み止めで凌いでいた歯の痛みが耐え切れなくなってきたある日、ようやく歯医者に行く決心がつきました。その時、数ヶ月前に近所に住む話し好きのおばちゃんが言っていた歯医者を思い出していました。
なんでもその歯医者はアロマを炊き、癒し系のBGMが流れていて、リラックスしやすい環境で治療してくれるとのこと。
改めてそのおばちゃんに連絡して住所を聞いてみたところ、私の住んでいる場所からそう離れていないことがわかりました。
「ちょっと奥まった所にあるからわかりにくいけど、大通りに歯科の看板が出ているよ」と教えてもらい出発しました。
とても暑い日だったのですが、きっとその癒し系の歯医者にたどり着くことができれば、薄いガラスのコップに冷たいジャスミンティーでお出迎えしてくれるはず、そんな妄想を膨らませながら歯医者の看板を探していました。
しかし、どれだけ探しても歯医者の看板は見つかりません。
しかも、教えられた住所の一角は歯医者さんが多い場所で、ここかと思って歯医者の看板に近づいていって確認すると別な歯医者の看板だった、ということを繰り返しているうちに暑さと痛みでイライラがMAXに。
結局、癒し系歯医者に行くのは諦め、学生時代に一度行ったことがある普通の歯医者さんに飛び込みました。
治療が終わり、帰り道で癒し系歯医者を教えてくれたおばちゃんと遭遇。どれだけ探しても見つからないと伝えたところ、そのおばちゃんも数ヶ月前に行ったのが最後だったようで、もしかしたら今はもう閉院してしまったかもしれないとのこと。
癒し系歯医者。一度、体験してみたかったです。